マテハンブログ  
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予想の馬で有馬を勝つ。

kawasaki2025.12.24

有馬記念をテーマにブログを書いたのが2021年。空白の4年間。「更新が止まったということはもしかして的中したのか?!」「外し過ぎてついに競馬引退か?!」世間に色んな憶測が飛び交う。(それくらい注目されてみたい)
どうか、安心してほしい。最後に予想を認めた2021年も含めて以降もしっかり負け続けています。
せっかくなので、過去4年の川咲の予想と結果を振り返ってみます。

2021年:川咲の本命:ステラヴェローチェ→4着(3番人気)
2022年:川咲の本命:タイトルホルダー→9着(2番人気)
2023年:川咲の本命:タイトルホルダー→3着(6番人気)※1着馬ドゥデュースを買わず
2024年:川咲の本命:ベラジオオペラ→4着(3番人気)

ご覧の通り、決して穴馬ばかりを狙っているわけではありません。しっかり人気どころを選んで外しているのです。振り返りはしたものの、空白のままそっとしておいてほうがよかった、現実を直視しなければよかったと後悔しています。
デジタルデトックス反対!スマホ依存で現実をスワイプしておけばよかった。
しかしこの負の螺旋。いつまで続けるのか?

経営の神様は言った。

「成功とは、成功するまで続けることである」

これは簡単そうに見えて実際は非常に難しい。多くの人は途中で挫折したり、困難にぶつかって諦めてしまいます。パラフレーズするとつまり、有馬記念の予想を的中させるには、的中するまで続けるということ。当たるまで続けることで、必ず道は開けるということを、経営の神様は僕に教えてくれました。
というわけで今年の予想を晒します。

ダノンデサイル


本命に推すのは、言わずもがな昨年のダービー馬。国内での出走が10ヶ月振りとなる前走のジャパンカップでは、世界最強馬を相手に3着と健闘。ここでは実力も実績もトップクラス。また昨年の有馬記念でも3着と好走しており、コースが特殊な中山競馬場への適正も問題ありません。勝つのはこの馬でしょう。脳内では、勝利ジョッキインタビューで「ベリーベリーホース!」と叫ぶ戸崎ジョッキーの映像が再生されます。
今年も割と人気サイドでの堅い決着と睨んでいますが、あえて穴馬を挙げておきます。

タスティエーラ


こちらは一昨年のダービー馬。今秋は、天皇賞・秋8着→ジャパンカップ7着と芳しくない成績ですが、春は香港遠征でG1を勝っており能力はここでも全く見劣りしません。そして僕が推す理由は2023年の有馬記念にあります。少しマニアックな話になりますが、この日の中山競馬場の芝はなぜか内が非常に綺麗で、内有利な状況でした。実際、掲示板に乗った5頭中、3頭は終始内ピッタリを走ってきました。そんな中、タスティエーラは不利と言われる大外を回り、直線に入るともの凄い脚で追い込んでくると思ったその時、なんと更に外にいた馬に内に寄せられ進路を塞がれます。想像してください。徒競走でこれからトップスピードにギアを上げようとしたタイミングで急ブレーキをかけることがどれだけ不利か。馬も同様です。普通もう走る気を失います。しかしタスティエーラは再度加速し、6着まで順位をあげました。このレースを観て僕は、もう一度有馬の舞台でタスティエーラの走りを観てみたいと思いました。

エキサイトバイオ


色々あって、なんと繰り上がりで出走できることに。前走の菊花賞では13番人気という低評価を覆し3着。しかも道中折り合いを欠いていての結果。中山初経験、距離も初経験と未知に包まれたこの運を掴んだエキサイトバイオに怪しい臭いがぷんぷんします。

社内ではザ・ロイヤルファミリーについて色々聞きたいという声が少なくありません。ということで、「元厩務員が語る、そりゃないぜロイヤルファミリー」をお届け。

元厩務員が語る、そりゃないぜザ・ロイヤルファミリー

競馬ファンもそうでない方も、今年の秋盛り上がったドラマといえば、TBSの日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』(主演:妻夫木聡)ですよね。JRA(日本中央競馬会)が全面協力しているだけあって、レース映像やファンファーレ、競馬場のバックヤードなどは非常にリアルですが、ドラマとしての盛り上がりを作るために、競馬ファンから見ると「いやいやいやwww」というポイントもいくつか存在します。
現実の競馬事情と照らし合わせた「リアリティの乖離ポイント」をいくつか挙げます。

地方騎手の「中央移籍」のハードル

ドラマ内では、地方競馬所属の佐木隆二郎(高杉真宙)騎手をチーム・ロイヤルが専属として起用したり、JRAのG1で乗せたりする展開がありますが、ここには大きな壁があります。
地方競馬の騎手がJRAに移籍するには、極めて難易度の高い「騎手免許試験」を突破する必要があります。これが非常に狭き門なのですが、ドラマ内でいとも簡単に移籍したシーンは「そんな原付きの免許取るみたいな感覚ちゃうで」とツッコまざるを得ません。

目の病気からの奇跡の復活

物語の核心部分で、ロイヤルファミリーの目の疾患が発覚し、沢渡(市川実日子)獣医によって復活する展開がありますが、ここも現実の厳しさと異なります。 競走馬は視界が確保できないと非常に危険なため、視力に重大な問題が出た時点で引退となるのが通例です。一度視力を失いかけた馬がG1に復帰して勝つのは、医学的にも安全管理上もほぼ不可能です。

「有馬記念を勝つための馬」なのに、なぜかマイル(1600m)デビュー

ロイヤルホープは山王耕造(佐藤浩市)が「日高の生産馬で有馬記念を勝つ」という悲願を達成するため、野崎ファームで購入した馬です。一般的に、有馬記念を目指して育成されることは皆無ですが、仮に中長距離適性があると見込まれた馬だった場合、「芝1800m」か「芝2000m」でデビューさせるのが鉄則です。1600mを使うことはまずないです。そして更に不思議なのがライバル馬主として登場する椎名善弘(沢村一樹)所有のヴァルシャーレも同じ新馬戦に出走しています。こちらは後のダービー馬です。この2頭のデビュー戦に1600mを選んだことは、競馬ファンなら違和感を持って当然です。

単勝万馬券はさすがにありえない

そしてその新馬戦。ロイヤルホープのオッズは、12頭中10番人気となる101.9倍。これは流石にやり過ぎでしょw この馬1億だよ?この時代のセレクトセールの中央値と平均価格調べてみましたが、中央値:1,950万円 平均価格:2,699万円。億超えは5頭いるかいないか程度。そんな馬たちのデビュー戦オッズはおおよそ1.1~2.5倍です。ヴァルシャーレがいたとしても、10倍は切らないとおかしい。
これは明らかに「大穴をあけるカタルシス」のための設定でしょう。「誰からも期待されていない馬が、エリートたちをなぎ倒す」という構図を作るための極端な演出ですが、これは本ドラマの中で最も摩訶不思議パラドックスです。

とまぁ、ツッコミどころが盛りだくさんだったことは事実ですが、現代競馬のリアルな壁、システム化された巨大牧場に対し、中小牧場の結晶とも言える一頭が挑むことの「絶望的な難しさ」と、それを覆す「ロマン」が見事に描かれていたのもまた事実です。圧倒的な資本の論理に、人と馬の絆で風穴を開ける。現実ではほぼ不可能に近いその挑戦を描き切った点において、本作は単なるエンタメを超えた、全ホースマンの魂を震わせる素晴らしいドラマでした。

ブログを書いたスタッフ

取締役
kawasaki
元競走馬の担当員、元Webコンサルティング会社のアナリスト、元スイーツのECショップ店長、元メーカーの人事総務という異色の経歴を持つ何でも屋。趣味はマラソンと競馬と日本酒。
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