マテハンブログ  
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ドン・キホーテの挑戦

kawasaki2022.07.21

皆さまごきげんよう。ブログもご無沙汰、kawasakiです。

新型コロナウイルスの国内感染者が初めて確認されてから、およそ3年半が経過しました。未だ収束の兆しが見えず、現在は「第7波」に直面しています。
他方、6月から入国者数の上限が2万人に引き上げられ、約2年ぶりに外国人観光客の受け入れも再開されました。しかしながらコロナ禍以前のモメンタムにはほど遠く、インバウンド需要の消失が業績への大きな打撃となった業界あるいは企業も少なくないでしょう。
総合ディスカウントショップ「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィックインターナショナルホールディングスもその代表的な1社です。

ドン・キホーテのコロナ禍の業績

RJCリサーチとナイトレイの共同調査「インバウンドレポート2018」では、当時の外国人観光客に人気のショッピング施設ランキングで2位に支持されています。そんなドン・キホーテの新型コロナウイルス感染拡大の影響はまさに艱難辛苦であったのではと察します。ところが、同社の業績はコロナ禍でも増収増益。2022年6月期も売上高・営業利益とも前期比増を予想しています。
ディスカウントストア事業のカテゴリ別売上を見ると、食品カテゴリが大きく伸張しており、巣ごもり需要をしっかりとキャッチしていることがわかります。また2021年から注力しているPBの売上が堅調に成長している点も増益の要因の一つです。

ドン・キホーテのカテゴリ別売上

特化型店舗戦略

5月頃、私が好きなテレ東の「ガイアの夜明け」でドン・キホーテが取り上げられていました。番組では、ダイバーシティ東京プラザの「キラキラドンキ」やモラージュ柏の「驚辛ドンキ」などのターゲットを絞った特化型店舗がフィーチャーされていました。前者の店舗は、ここでしか買えないSNS映えするグミや韓国コスメなどを中心に取り扱い、若い世代がターゲットです。若者に行ってみたいと思わせるアミューズメント性の高い店舗づくりで顧客体験に軸足をおいた店舗戦略を展開しています。こういった特化型店舗がドン・キホーテ全体の成長を促しているそうです。

ドン・キホーテのプライベートブランド(お菓子)

ドン・キホーテのプライベートブランド商品(上はスナック菓子 下はドレッシング)

ドン・キホーテのプライベートブランド(調味料)

私は、この尖った店舗を下支えしているのが、みんなに馴染みのある総合ディスカウントショップタイプのドン・キホーテだと考えています。ここでは、驚きの安さで日用品から食品、家電、ブランド品まで何でも揃います。AmazonなどのEC特有のビジネスモデルであるロングテールを、取り扱いアイテムの豊富さを武器にリアル店舗で実現する販売力こそが同社の競争優位性です。

ロングテール

同社に限らず、今伸びてる小売店は売れ筋も、そうでない商品も幅広く取り扱うようなお店です。反対に売れている物しか扱わないお店は苦戦しています。理由は明白で、売れ筋商品はどこでも買えてしまうので、各社利益を削った価格競争になりがちです。先行きが不透明で将来の予測が困難な今の時代に、過去データ分析に固執した旧態依然のマーケティングの末路が、そのような結果である気がしてなりません。
弊社が運営する”中古でマテハン”は、「誰が買うねん」という需要未知なマテハンでも極力買い取るのが企業方針です。ギャンブルと捉えられかねないこの戦略と”物流機器に命を吹き込む仕事を通してお客様のお役に立つ”という経営理念で、このコロナ禍でも、取り扱いアイテムと顧客の幅は大きく広がりました。

今後も持ち前の妄想と狂人じみた行動で、物流業界のドン・キホーテとなるべく、中古物流機器市場を牽引していきたいと思います。

ブログを書いたスタッフ

取締役
kawasaki
元競走馬の担当員、元Webコンサルティング会社のアナリスト、元スイーツのECショップ店長、元メーカーの人事総務という異色の経歴を持つ何でも屋。趣味はマラソンと競馬と日本酒。
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